過酷すぎた横須賀・三浦１００kmウルトラマラソン Part3（中盤戦）
横須賀・三浦100kmみちくさウルトラマラソン
の走行記も三回目となりました。
Part1ではスタートから前半戦
Part2では中盤戦について述べました。
今回のPart3でもまだ中盤戦です。
でも、今までの様子が急変します。
前半戦の余裕さが一気になくなります。
なお、今までの記事はこちら
- 第11エイド【三崎港】（58.9km地点）
- 中盤戦 Part4（第11エイド58.9km〜第12エイド65.3km）
- 第12エイド【引橋】（65.3km地点）
- 中盤戦 Part5（第12エイド65.3km〜第13エイド71.5km）
- 第13エイド【ソレイユの丘】（71.5km地点）
第11エイド【三崎港】（58.9km地点）
城ヶ崎を折り返し、三崎港に来ると
土曜日なので観光客がたくさん。
賑わいを見せている三崎港をウルトラランナーたちが
ゼッケンを背負い走り抜ける姿は異様で
注目を浴びますが、その分、気合も入ります。
意気揚々と第11エイドの【三崎港】に到着！
ここで栄養補給。
一口サイズの赤飯握りや、
あんこ玉、漬けものをいただきます。
今回のウルトラマラソンは内臓のダメージが少なく
60km近く走っても、まだまだ食べれるし、元気！
ウルトラマラソンで一番の大敵は
胃にダメージを喰らってしまい
食べ物どころか、飲み物すら受け付けなくなってしまうこと。
こうなると、エネルギーも水分も補給できなくなってしまうため、リタイアへまっしぐらとなってしまいます。
しかも、この日は３０度近くまで気温が上がる予報
水分も塩分も足りなくなる恐れがあるため
60km付近で食べれることは、本当に順調にきている証拠です。
ちなみに、この【三崎港エイド】に到着したのが
12時50分。約60kmを8時間で走ってきた計算。
残り40kmを6時間と考えた時
余裕はそんなにないけどイケるかな！
と、甘い考えを持っていました。
後ほどの、地獄はこの段階では
全く気付くことができなかったのです・・・。
中盤戦 Part4（第11エイド58.9km〜第12エイド65.3km）
【三崎港エイド】を飛び出して、
身体が復活していることを感じながら
気分良く、出発します。
観光客の方々から
「頑張ってください！」という声が
本当に力になりました。
ここまで多少の遅れはあるけど
順調にきていることを実感しながら
快調に走ります。
しかし、悪魔はいつの間にかやってきます。
【三崎港エイド】を3kmすぎたあたり
坂道を登り終えた時、
急にプツンと緊張の糸が切れてしまいました。
あれは一体何だったんだろう。
今でも理解できません。
ただ、一つ言えるのは
「動けない・・・」
足が動かないのです。
頭は元気。心臓も大丈夫。
でも、足は動かない。
というか、やる気が失せた・・・。
長い坂道だったため、粘りながらウォーキングで
距離を進めていたのですが、
坂道を終えた後、走り出すことができませんでした。
暑さと、キツさで、一気に体力の限界に・・・。
「もうダメだ〜」と思っていたところ、
目の前に自販機を見つけてしまい
完全に集中力が切れ、
炭酸飲料を買って座り込んでしまいました。
時間は13時。太陽の日差しが最もきつい頃
やっぱり暑さのダメージがあったんでしょうか。
暑い！喉乾いた！動きたくない！
気持ちが完全に切れてしまいました。
日陰で座り込んでいると、
一緒にエントリーした職場の仲間が
心配そうに声をかけていったので
自分ももう一度気合いを入れ
重い腰を上げて動き出します。
でも、それも続かず
1分ほど走り出したら、また歩いてしまいます。
とりあえず、進もう。完走できないかもしれないけど
とにかく１歩ずつ、前に歩き出そう。
そう、自分で自分を励ましながら
ゆっくりとジョグとウォークを繰り返します。
足は大腿部の前部が両足攣りそう。
足を庇いながら走っていると、
今度は腰部分が攣りそう
そこをかばうと、
今度はお尻からハムストリングスが攣りそう
地獄だ・・・・。
しかも、三浦のメイン通りの26号線に出ると
目の前には、延々と続く、長い坂・・・。
「もうダメだ、もう嫌だ・・・
足動かないし、暑いし、まだ40km近く残っている。
71km地点のソレイユの丘でリタイアしようかな。
この炎天下でウルトラマラソンやるのがおかしいんだ。
今日の天候でリタイアしても誰も責めないよ」
もう、歩きながらひたすらネガティブ思考。
ネガティブ思考は絶対にパフォーマンスを落とします
むしろ、人間の体は脳で考えたことを
忠実に行うので
「もうダメだ」と思ったならば
身体を「もうダメだ」状態に仕上げてくれます。
いわゆる負の連鎖ですね。
そんなこと分かっていますが
足は動かず、ネガティブ思考は止まらず
とぼとぼと坂道を歩き続けました。
そんな時、ふと目線を上げると
そこにローソンがあるじゃないですか。
正直、もうギブアップ状態だった自分は
半ば諦めモードでそのまま導かれるように
ローソンへ入店していきます。
そして、そこで本能的に購入したアイテムは・・・
ガリガリ君！！！
いや〜、本能的に買いましたが
このガリガリ君はまさかのファインプレー！
冷たさと甘さが疲れた身体をリフレッシュしてくれます。
ガリガリ君をかじりながら、坂道を歩き
「今、俺は休憩中なんだ！
ガリガリ君で力を溜めているんだ！
力を溜めたら、また走り出すんだ！」
とイメージを膨らませていると
あら、不思議。だんだん、元気になってきます。
足が痛い、足が重いのは相変わらずですが
「まだ、進もう！」というやる気は出てきました。
第12エイド【引橋】（65.3km地点）
なんとか、第12エイド【引橋】に到着
ここでひと休憩し、
もう一回、やる気スイッチを入れ直します。
大丈夫！気持ちは復活した！
足は痛いけど、まだいける！
辛いのはみんな同じ！
むしろ、ここからがウルトラマラソンの真骨頂！
せっかくなんだから楽しもう！
エイドで身体だけじゃなく、心も復活しました！
中盤戦 Part5（第12エイド65.3km〜第13エイド71.5km）
エイドで回復を実感したとはいえ、
足はやっぱり重いし、痛い 。
幸いに上り坂でなく下り坂が多めになったため
その勢いでジョグを進めます。
三浦消防署を過ぎ
潮風アリーナをとにかく気力を振り絞り
ジョグのまま走り抜けます。
「登り坂は歩くけど
下りは勢いを利用してジョグしよう
平坦になったら気合いでジョグを継続しよう」
そんな、作戦を考えながら、次のエイドまでひたすら
足を前に動かし続けました。
そして、見えてきた
次のエイドである【ソレイユの丘】の看板
あと、3km
あと、2km
とにかく１歩１歩、しっかりと足を前に出し
焦らず淡々と進む。
「大丈夫、俺の足はまだ動く」
あと、１kmの表示が見えてきた。
少し、緊張の糸を抜くことができるかな
と、思い、前方を見ると
ふざけるな！と、
言いたいくらいの長い長い急坂がお出迎え。
まあ、【ソレイユの丘】と言うくらいですから
坂の上であることは覚悟していましたが
それにしても、急坂・・・。
泣きそうになりますが
ガンバって、１歩１歩歩きながらでも
前に進むため、登り続けます。
第13エイド【ソレイユの丘】（71.5km地点）
そして、ようやくたどり着いた
第13エイド【ソレイユの丘】（71.5km地点）
実はこの【ソレイユの丘】は71.5km地点でもあり
100km地点でもあるんです。
横須賀・三浦みちくさウルトラマラソンは
100kmの部と63kmの部があり、
63kmの部の方々はこの【ソレイユの丘】がゴール
100kmの部の方々はここはあくまで途中エイド。
隣で63kmの人たちが笑顔でゴールし
ストレスから解放されているのを横目に見ながら
100kmの方々はここから再スタートし、
17km先の【湘南国際村】まで行って
帰ってこなくてはいけないのです。
う〜ん、なんという残酷なコース設定。
しかし、自分にはこの【ソレイユの丘】で
とある秘策を練っておいたのです。
その話は長くなるので
また次回に。
次回は今度こそ後半戦に移ります。
お楽しみに！
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ちなみに次回 Part4はこちらです
